【気になる1点】《プタハ神の像を手にしたカエムワセト像》@ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金、本日から豊洲のラムセス・ミュージアムで開幕
- 庄司美樹
- 3月8日
- 読了時間: 3分
更新日:3月12日

豊洲のラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyoで、古代エジプト史上「最も偉大な王」とされるラムセス二世(Ramesses II、紀元前1303年頃 - 紀元前1213年頃)とその時代にまつわる日本初公開を多数含む至宝が約180点ほど勢揃いしたラムセス大王展が本日開幕しました。特にラムセス2世の棺はが蓋と本体そろって展示されるまたとない機会となっています。
そうした並み居る展示品のなかで、《プタハ神の像を手にしたカエムワセト像》は、そこまで大きなものではありませんが、簡略化された素朴な造形と正面性、アルカイックスマイルを浮かべた穏やかな表情、静謐な精神性を持った美しい像でした。
この像のモデルはラムセス二世の第4王子で、メンフィス地区でプタハ神の最高司祭を務めたカエムワセト。宗教的にも政治的にも大きな影響力を持っており、晩年にはメンフィス知事や王太子を務めました。残念ながら父ラムセス二世よりも先に亡くなったため、王位につくことはありませんでした。
カエムワセトは古代エジプト文化へ深い愛情を注ぎ、紀元前26世紀頃のピラミッドや太陽神殿などの修復活動を行ったり、文化遺産保護への高い意識を持った人物でした。そのため、彼の活動は考古学的研究の先駆けとして高い評価がされています。
カエムワセトが両手に捧げ持っているのがプタハ神です。プタハ神はメンフィス神学で世界を創造する神とされ、宇宙の創造に関わった存在といわれています。おもに手工業者を守護する神として崇拝されています。古代エジプトの文明、技術の高さは、プタハ神の加護によるものとして大切に信仰されてきたのでしょうね。
一つの珪岩から彫り起こすことで産まれた《プタハ神の像を手にしたカエムワセト像》。ギリシャ彫刻のような派手な動きはありませんが、丁寧な造形意識と鋭くとらえられた深い精神性はみるものを魅了してやみません。
みなさんも、お気に入りの1点を「ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金」で見つけにきてくださいね。

古代エジプト史上「最も偉大な王」とされるラムセス2世(Ramesses II、紀元前1303年頃 - 紀元前1213年頃)とその時代にまつわる至宝を紹介する特別展。エジプト政府公認の展覧会で、これまでにアメリカ・ヒューストン、サンフランシスコ、フランス・パリ、オーストラリア・シドニー、ドイツ・ケルンで開催、世界各地で計200万人以上の来場者を記録。過去に日本で開催された「ツタンカーメン展」と並ぶ史上最大級の展覧会。3000年以上前の古代エジプトのアーティファクツ・芸術品約180点を展示。
アブ・シンベル神殿とネフェルタリ王妃の墓にスポットをあてた没入型VR体験や臨場感あふれるプロジェクション・マッピング、壮大な音響設備など、まさに体全体で楽しめる一般的な博物展示とは一線を画した展覧会となっている。
会 期 : 2025年3月8日(土)~9月7日(日)
〔平日〕10:00 – 18:00(最終入場 17:00)
〔土・日・祝日・特定日〕9:00 – 19:00(最終入場 18:00)
会 場 : ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo(豊洲) 入場料 :〔平日〕大人4100円 中高生3100円 小学生2400円
〔土日祝及び特定日〕大人4300円 中高生3300円 小学生2600円
※当日窓口販売の料金
住 所 : 東京都江東区豊洲6丁目4−25
交 通 : ゆりかもめ「市場前」駅徒歩3分
主 催 : ラムセス大王展 ファラオたちの黄金 実行委員会 / NEON JAPAN 株式会社
後 援 : エジプトアラブ共和国大使館
特別協賛: 株式会社 ACN
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